・検査をするには、検査を行う医療者の感染予防対策(ゴーグル、マスク、防護服、手袋)、検査を行う場所の二次感染予防(室内に残った患者の飛沫を完全に除去する必要があります)、PCR検査を行える臨床検査技師(非常に少ない)の確保、臨床検査技師の感染予防対策が必要であります。
・PCR検査に用いる検体は、ウイルスが十分に増殖している組織から(容易に採取できる咽頭ぬぐい液の陽性的中率は低い)、正しい方法で(慣れていない人が採取しても有効な検体が取れない)採取しなければ、意味がありません。
・PCR検査は偽陽性(本当は感染していないのに、感染していると誤って診断される)、偽陰性(本当は感染しているのに、誤って感染していないと診断される)があります。
(1)偽陽性者で病院が埋まってしまうと…
本当に治療を要する患者が医療を受けられなくなり、重症者を救命できなくなります。
本来は治療を受けていた他の疾患の患者が適切な治療を受けられなくなります。
(2)偽陰性患者が普通の生活を続けると…
接触した人々が次々に感染し、感染爆発が起こります。
・PCR検査は、検査可能な量以上にウイルスが増殖していなければ、感知できません。
(増植が不十分な時期に採取した検体、増植していない部位で採取した検体は検査の意味がありません)
・採取した検体は直ちに検査を行うか、-80度の特殊な冷凍庫で保管し(保管状態が悪ければ、検査の精度が落ちる)、カテゴリーBを取り扱う認可を得ている専門の輸送業者を利用して輸送する必要があります。
現状では、状況(海外渡航歴、感染者との濃厚接触)や経過(医師がコロナウイルス感染を強く疑う症状や他の検査結果を伴っている)から、感染を強く疑う患者が確実に検査できるようにするべきであり、闇雲に多くの人に検査を行える状況ではありません。