関節リウマチの症状として、手指の関節痛が有名ですが、それだけに注目していると、正しく診断できないという側面もあります。最初に痛くなった関節が肩関節や膝関節など、一般的な関節リウマチのイメージと異なる関節であった場合、なかなか診断がつかず、適切な治療を受ける機会を失うことがあります。
関節リウマチでは、動かせる関節(可動関節)で炎症が起こり、破壊されていきます。多くは左右対称に起こりますが、発症初期には片側にしか症状がないこともありますので、注意が必要です。手指の関節に症状が出る方が91%と最も多いのですが、肩関節に症状が出る方も65%、膝関節に症状が出る方も64%います。また、初発(最初に症状が出る)症状が手指の関節の確率は約30%(PIP関節26.0%、MP関節3.5%)で最多ですが、肩関節の確率7.1%、膝関節の確率13.0%と手指以外の関節も決して無視できるものではありません。関節リウマチの診断は経過や診察所見、血液検査の結果などをふまえて総合的に判断することが必要です。その関節の痛みが関節リウマチによるものなのか、他の病気によるものなのかの鑑別は専門医でなければ難しい場合が多いです。関節の痛みや腫れが続く場合は、関節リウマチ専門医を受診してください。