最近、日常診療でも新型コロナウイルスのワクチンに関して質問されることが増えました。政府が2月にもワクチン接種を開始する方向で動いている一方で、連日、メディアでワクチンに対する不安を煽るような報道が続いていることで、色々と不安に思っておられる方も多いかと思います。
ワクチンの開発にあたっては、3段階の試験が行われ、有効性だけでなく、安全性も確認されます。新型コロナウイルスのワクチンは、通常のワクチン開発よりも格段にスピードが速いですが、きちんとした臨床試験が行われた上で、発売されています。臨床試験のフェーズ2には、少数ではありますが、日本人も参加しています。日本国内での承認においては、早急に接種を開始するための策として、フェーズ3の臨床研究を国立病院に勤務する1万人の医療従事者を対象として行う予定です。有効性と安全性を確認しつつ、医療従事者への接種を早めるという作戦です。承認後も数百万人の医療従事者が先行して接種する予定ですので、皆さんが接種するころには更に詳細なデータが揃っているはずです。また、新型コロナウイルスのワクチンは、現時点で、米国で1000万人以上、英国で400万人以上が接種しており、最も接種が進んでいるイスラエルでは、人口の27%(243万人)が少なくとも1回目の接種を終えています。因果関係の有無に関わらず、接種後の有害事象が確実に追跡される状況であることを考えると、現時点で報告されている有害事象は他のワクチンと比較して多くはありません。
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お知らせ2021.01.21