昨年12月に中国で発生した新型コロナウイルス感染症が連日報道されています。
リウマチクリニックでは、1月から外来にてウイルスについてお話しさせていただき、その後、福岡市における七つの病院の受診形式についてもお話しさせていただいています。
新型コロナウイルス検査については、3月6日より保険適用となりましたが、検査ができるのは全ての医療機関ではなく、定められた専門医のみでの検査となります。
3月7日時点、福岡市内では2名の方が陽性でしたが、濃厚接触者94名については全員陰性でした。陽性の方には直近の海外渡航歴等はなく、市中感染だった可能性もあります。
福岡日赤病院の石丸先生によると、この新型コロナウイルスは陽性であっても症状が出ない方(不顕性感染者)が50%前後存在している可能性が示唆されており、普通のインフルエンザと違い、他人に感染させるリスクが症状発症の二日前から生じるようです。
報道などでは、基礎疾患がある方、リウマチなどで免疫抑制剤を使用されている方のリスクが挙げられています。
新型コロナウイルス感染症の主たる病変は肺炎ですが、関節リウマチで起こる炎症物質の嵐(サイトカインストーム)が、肺で起こっている状態と似ており、ステロイドが入った薬剤の臨床的効果の症例報告がされています。
そのため、抗サイトカイン製剤(生物学的製剤)の治験が検討され、2月下旬に臨床的治験投与が始まっていると聞いております。
いずれにしても、不顕性感染者に遭遇する可能性が高い集会などへの参加はできるだけさけ、日常生活で感染を避けるために注意する必要があります。
ご心配なことやご不明な点がございましたら、受診時にお尋ねください。