先々週は日本整形外科学会が5年ぶりに福岡(マリンメッセ福岡)で開催され、私も5月25日に行って参りました。日本整形外科学会は規模が大きいため、持ち回りで決まった大都市で開催しています。遠方での開催時には参加が難しい場合が多いため、地元福岡で開催される際にはなるべく出席するようにしています。以前に比べてリウマチ関連の演題が少なくなっていましたが、他の分野のトピックスを知る良い機会になりました。ロボット手術やジェンダー問題、経済的な問題など色々と考えさせられました。
先週は東京でドイツの先生からJAK阻害薬のお話を伺う機会がありました。ドイツでは保険制度の違いからJAK阻害薬を無料で使えるそうです。患者さんの経済的負担がありませんので日本とは全く違う使われ方をしています。この20年間は生物学的製剤の時代でしたが、妊娠の懸念がない世代や男性にとって、低分子であるJAK阻害薬は非常に良い選択になります。JAK阻害薬は生物学的製剤と比較して安価であること、MTXを併用する必要がないこと、注射と違い侵襲がないことなどメリットが多い薬剤です。これから暑くなりますので冷所保管が必要な注射製剤を持ち帰る際の保冷バッグや保冷材の準備等を考えると、薬剤管理が容易なこともメリットの一つかと思います。日本ではJAK阻害薬を使いこなせている先生は多くありませんし、日本の保険制度上、医療機関の経営戦略的には生物学的製剤の方が良いのですが、数年後にはJAK阻害薬を内服する患者さんが増えているのではないかと思います。
今週はオーストリアのウィーンで欧州リウマチ学会が開催されています。参加を予定している旭川の片山先生や高知の吉井先生はとても嬉しそうでした。留守番の私は彼らが帰国し学会で目にした新しい知見の土産話を楽しみにしています。
暑くなってきました。熱中症に注意し、こまめに水分を摂取するようにしてください。
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お知らせ2024.06.13